行政活動を行っている各機関は、まず、自らが行っている活動をここに示した判断基準に基づき早急かつ抜本的に見直す必要がある。その際、見直しの結果に基づく改革の推進は、施策・制度改革に的確に対応して民間が行動様式を変更できるよう、当該改革のタイムスケジュールを明確に示す必要がある。
また、社会・経済情勢は絶えず変化していることから、行政活動の見直しは経常的に行われなければならない。
しかしながら、行政には効率化のインセンティブが働きにくいことも勘案すると、行政活動を行っている各機関に見直しを委ねるだけでは、その実効性が確保されないおそれがある。
従って、行政活動に対する監視機能が必要であり、それを有効なものとするための方策について引き続き検討してまいりたい。
判断基準に基づき、行政の関与を必要最小限にとどめるなど行政改革を推し進めていく場合、単に行政部門だけが取り組むものではなく、民間部門が、その変化に対応して、自らの役割を十分に果たすことが必要である。その際、今後、民間部門では、ともすれば行政に依存するというこれまでの意識を変革し、自助努力と自己責任に基づき活動することが、まず重要である。また、当然のことながら、国民自身がそれぞれ、社会の一員であることを自覚することも必要である。そのためには、自己責任原則の確立など自己改革に早急に取り組むことが期待される。
これと同時に、可能な限り市場原理に委ねるのであれば、それを有効に機能させるため、民間自身も業界団体等によるいわゆる「民民規制」を排除するとともに、企業会計の改善や内部監査の確立を通じて情報公開を一層進めることが必要となる。