公共工事の入札制度と建設産業
金本良嗣
公共調達の制度設計
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「談合対策 発注工夫し、やりにくく」日本経済新聞「経済教室」(2005年8月16日).
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「公共調達制度の課題」『ファイナンス』Vol. 41, No.2,2005年5月号,65-72, (2005)
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「公共工事の発注システム」 『ビジネス レビュー』17巻4号,2000年.
日本の公共工事の最大の問題は公共発注者にあるとの認識に立って、発注者組織の改革と地元中小業者保護の問題について論じています。
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「公共工事の発注システム」(金本良嗣・城所幸弘)『日本の建設産業』第4章,日本経済新聞社,(1999).
最近の動向を含めて日本の公共工事発注システムの現状と進むべき方向を論じています.多分,これが最も分かりやすいと思います.
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「公共調達」『日本の財政システム』(貝塚啓明,金本良嗣編)第8章,東京大学出版会,217-250,(1994).
金丸事件の後に,中央建設業審議会の特別委員会が日本の公共工事の入札制度の改革案をとりまとめました.以下の論文は,その直後に書いたものです.
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「公共調達制度のデザイン」『会計検査研究』No.7,35-52,(1993).
金丸事件によって公共工事の問題が大騒動になる少し前に書いたのがこの論文です.この論文では,日本における公共工事の入札制度の問題点を指摘し,どのような制度をデザインしたら良いかを検討しています.
簡略化した一般向け解説
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「わが国入札制度の現状と課題」『開発』7月号,36-39,(1993).
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「国内版WTOのすすめ」『積算技術』9月号,1,(1997).
公共工事の発注総額のうちで地方自治体の占める部分が70%程度に達していることはあまり知られていません.地方自治体の発注については地元業者優遇等による弊害が著しくなっています.
この問題は国際貿易における保護主義の問題と基本的な構造は同じです.経済学者の意見が一致することは多くありませんが,「国際貿易における保護主義は世界全体の経済発展を阻害するので,自由貿易の推進が必要である」ということについては珍しく意見が一致しています.国際貿易については,GATT及びその後継機関としてのWTOの場で,自由貿易の推進が行われています.数十年という長い年月がかかりましたが,その結果,保護主義を抑制することにほぼ成功しています.
地域の保護主義も国際貿易における保護主義と同じ弊害をもっています.国内では国がWTOと同じ役割を果たす必要があります.
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「道路舗装工事における「上請け問題」」『道路建設』No.
610,11月号,17-19,(1998). (PDFファイル)
競売理論と政府調達制度
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「政府調達の経済学」『公共セクターの効率化』(金本良嗣,宮島洋編)第4章,東京大学出版会,89-110,
(1991)
公共工事の入札制度を理解するためには,競売理論(auction
theory)を勉強する必要があります.この論文では競売理論のエッセンスを紹介して,公共調達制度の問題を検討しています.
建設産業
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『日本の建設産業』 金本良嗣編,日本経済新聞社,(1999).
最新の建設産業に関する解説書です.経済学,経営学,社会基盤工学の第一線の研究者の方々(三輪芳朗,西口敏宏,松村敏弘,泉田成美,城所幸弘,中馬宏之,渡邊法美,國島正彦,菊岡倶也)との共著です.
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「提言 建設産業の行方」『建設月報』6月号,10-11,(1995).
建設産業のあり方に関する提言をしています.